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川人 紫さん 株式会社ハイパープランツ 代表取締役
アロマを医療福祉の現場に
「環境に負荷をかけず人に役立つことができれば」
と思った川人さん(43歳)。しかし、漢方を取り扱うには薬剤師の資格が必要だ。薬剤師の資格をとるべきかと考えていたとき、たまたま手にしたアロマセラピーの本に惹き付けられ、エッセンシャルオイルの輸入を始めることになった。

当時、アロマ製品を扱うなら海外のものが主流。外国の会社と取引をしなければならない。そのノウハウを学ぶため、外資系の貿易会社でアルバイトを始めた。またJETROにも足を運び、情報収集に努めた。
「日本にエッセンシャルオイルを輸出したいという会社のリストを取り寄せ、一社ずつ手紙を書きました」
すると、そのなかのひとつなのか、「今、日本に来ているから話ができないか」と英語で電話がかかってきた。フランス・ラボラトワールサノフロール社だった。語学力に不安を抱えながらも指定の場所に出向き、対面した。しかし予想通り、言葉の壁が大きく隔たり、ミーティングはしどろもどろ。それでも、その会社の商品の質の素晴らしさはすぐに実感した。即座にその思いを伝えるべく、「代理店契約をしたい」と申し出た。
しかし当時、川人さんは思いはあっても法人ではなく個人。
「個人との取引はできない」と即座に断られた。
断わられても諦めきれずに渡仏を決意した。今でこそ都心部のビルにオフィスを構える同社だが、当時は山奥のハーブ園の一角にオフィスはあった。そこを訪ね、社長と直接面談し、その意欲が認められ、無事、代理店契約を結ぶことができた。
こうして、開業ノウハウもマーケティングという言葉も分からぬまま、取り扱う商品が決まった。貯金50万円をはたいて独立した。

独立後、まずはハーブショップに片っ端から電話をかけていった。地道な行動が実を結び、少しずつ取引先が広がる。注文が増えると、今度は新たな悩みが生まれた。
「貯金50万円でスタートし、在庫を抱えて大丈夫なのか、常に資金繰りが悩みの種でした」
フランス製品ということで、日本で販売する際には、日本語の商品ラベルが必要だ。
「すべて自作で一枚一枚手作業で張り付けていました(笑)」
その後は販売先も増え、2000年には株式会社に組織変更した。

現在、熊本大学工学部で社会人学生として学ぶ。CO2の抽出の研究に励んでいる。また、北海道・旭川にてラベンダーの栽培を始め、オイルも抽出できるようになった。自社のオリジナル製品も開発している。
今後は、「医療や福祉の現場で、緩和ケアのひとつとしてアロマセラピーが期待されていくだろう」と、新たな分野での可能性を見い出し研究中だ。
PROFILE

株式会社ハイパープランツ
http://www.hyperplants.co.jp
1996年設立。1994年から川人貿易事務所として創業。主にアロマセラピー用のエッセンシャルオイルの輸入や販売を行っている。1996年に有限会社に、2000年に株式会社に組織変更。現在、自社で栽培から手がけ製品開発も行っている。

かわひと ゆかり
法政大社会学部社会学科卒。現在熊本大学工学部に在学中。会社員を経て、1994年川人貿易事務所設立。'96年にハイパープランツ設立。2000年株式会社に改組。43歳。北海道出身。
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