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vol.05 「経験はどう生かす?その1」
前回のコラムでは、起業分野での就業経験がない方は、熱意で周りを巻き込んでいきましょう、というお話をしました。今回は、大多数を占める、起業分野での就業経験がある方や、過去の勤務先での経験を生かした起業を考えている方に向けてのメッセージです。
未経験の方から見れば、上記どちらの場合でも、大分アドバンテージを持っているように見えますが、実際のところはどうなのでしょうか、気になりますね。
結論から言いますと、経験を生かした起業は、起業時もしくは起業後しばらくはアドバンテージに十分なり得ると思います。前職を生かした起業をされている経営者は、起業分野での知識・勘・人脈がある程度備わっていることに加え、(1)起業以前に、すでに右腕となるようなパートナーを得ている、(2)ビジネスモデルを描いた上で前職を離れ、起業することを決意していることが多く、やりたい事業が明確になっている、などの優位点があります。

一方で、陥りやすいワナもあります。気をつけなければならないことを、具体的に見ていきましょう。

◆割り切れない〜こだわりすぎてしまう人〜
たとえば、こんな人。前職では、店長の言うとおり仕事せざるを得ず、数字目標達成のために、本意でないサービスの提供をしていた。今度は、納得のいくサービスをしたい!と、丁寧なサービスをモットーに。しかし、細やかなサービスを、時間をかけて提供するあまり、人件費がかかる。さらに、お店は交通の便が良い場所を選んでしまい、家賃が馬鹿にならない。結果、利益率が低く、借り入れ返済が計画どおりに進まない・・・

丁寧なサービス・良質な商品は、もちろん大切ですが、会社として事業を始めた以上、存続のための利益を出していかなければなりません。前職での思いがある人ほど、割り切ることができず、利益とコストのバランスをとるのが難しいようです。気に入ったお店を見つけて、少し経ってまた行ってみたら、閉店してしまっていた。こんなことを、私は美容院やマッサージサロン、リラクゼーションサロンなどでよく体験するのですが、みなさんはそんな経験ありませんか?
こんなサービスが提供できたらいいな、あったらいいな、という思いから始めた事業。もちろんそういうサービスを欲しているお客様はいらっしゃるでしょう。ただ、これまで、そういうサービスを提供する会社がなかったのは、事業として継続して提供することが難しい、つまりそれだけの利益を出せないから、ということでもあるのです。なぜ、こんなにニーズがありそうなサービスを提供する会社がなかったのか、もし、利益が出ないのであれば、どのコストを減らせばいいのか、それは減らすことが可能か、という点を、起業前に十分検討しましょう。

(参考)大和総研では起業家のための「新規産業レポート」を公開しており、「利用しやすい女性向けサービス」を連載しています。
大和総研:www.dir.co.jp/eir/
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