| vol.20 「女性向けサイトで成長するクックパッド」 |
女性向けサイトの開設が増え始めたのは2000年ごろのこと。そうした中で利用者数やページビューの増加が最近目立ち始めたのが、日本最大の料理サイトであるクックパッドです。
レシピを含む料理関連サイトには、食品メーカー系、プロ系、一般生活者によるレシピ投稿系がありますが、同社は一般生活者によるレシピ投稿系の草分けです。
同サイトの月間ユニークユーザー数は'07年5月で280万人、月間ページビューは同じく1億6千万pvで、料理関連サイトに留まらず、女性向けサイトにおいてトップです。
1998年3月に開設して以降、掲載レシピ数は順調に増加し、'01年に1万件、'04年に10万件を超え、'07年8月には26万件を超えるまでに増加しています。主な収入源はサイトの広告収入で、ユーザーの利用や登録は無料です。
伸びる背景の一つは、豊富なレシピ数と充実した検索機能が閲覧者を引き付ける点。さらに人気ランキングも発表され、投稿者のモチベーションが非常に高い点が挙げられます。
代表執行役の佐野陽光さんは、大学卒業直後の1997年に前身となるコインを創業。クックパッドのほか施主と建築家のマッチングサイトなど複数のサイトを立ち上げ、'04年からはクックパッドに専念し現社名に変更しました。
料理の分野は、女性、男性問わずプロが存在します。しかし、料理関連サイト利用者の多くは家庭の主婦。なぜ男性の佐野さんが先駆者として成長しているのか。
インタビューの結果、その謎が解けました。佐野さんは、元来自立心が旺盛で、高校・大学時代と様々な社会問題解決のプロジェクトに参加。慶応義塾大学SFC在学中に、地域の農家と提携し野菜販売を手がけたのもその一つ。
その活動を通じて、旬の野菜のおいしさ、農家の豊かな料理ノウハウに着目しました。そしておいしい料理を食べた人々の笑顔に感動。そこで、料理ノウハウは当然一般家庭にも埋もれているはずで、そのレシピをアルバムのように残し誰でも活用できるようにしたい、との想いを強めました。
こうした利用者に笑顔を提供する使命感がクックパッド誕生の底流にあると分かりました。
強い使命感を持てば、女性起業家の活躍が多い分野でも男性起業家が新たなサービスを創出することができることを実証しています。今後有望な女性向け市場で活躍する男性は増えるでしょう。
一方、女性起業家は女性向け市場においても、男性起業家との競合が増してくる事を今後想定する必要があります。
競争に勝つポイントは、強い使命感に加え、新たなビジネスモデルを誰よりも早く創出することが重要になるといえそうです。
※クックパッド株式会社のURL:http://cookpad.com
(参考)大和総研では起業家のための「新規産業レポート」を公開しており、「利用しやすい女性向けサービス」を連載しています。
大和総研:www.dir.co.jp/eir/
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