| vol.19 「マザーハウスの財布の付加価値」 |
このプロジェクトを支援するようになって2007年度で3年目を迎えました。今年は例年より始動が早く、7月には全国主要8都市でのセミナーが集中して開催されました。
東京会場では、昨年度最優秀賞のマザーハウス代表取締役の山口絵理子さん、夢の街創造委員会代表取締役の中村利江さん、日本ベンチャー学会事務局長の田村真理子さん(司会)と共に、パネルディスカッションに参加しました。
台風が最接近し雨が降りしきる中、約200名もの女性が集まり元気をいただきました。
今回は、そのセミナーを終えて一つ感じたことを書きます。それは、マザーハウスの商品の魅力を再認識したことです。マザーハウスの山口さんについては皆さんご存知のことと思います。バングラデシュの貧困解消に貢献したい想いから、現地のジュートを使ったバッグ類を提携工場で生産し、昨年日本で販売を開始しましたね。
その山口さんのプレゼンテーションを聞いたのは2回目ですが、前回以上に心に響く充実した内容でした。
実は私もマザーハウス製のバッグを2個、財布を1個購入しています。セミナー当日は財布をスーツの胸ポケットに携帯しました。
山口さんのプレゼンを聞き、パネルディスカッションが進むにつれて、その財布には想像以上に高い付加価値があるのだと気づきました。
『この財布はお金をしまうだけのものではないな。目に見えない山口さんの想いがいっぱい詰まっている。』と考えると、財布がぐんぐん暖かく感じられ、嬉しくなりました。
似たような事例としてピーチ・ジョン創業者の野口美佳さんが思い浮かびます。野口さんのモットーは、単なる女性の下着を売るだけではなく、女の子たちに「元気」「セクシー」「ハッピー」という価値観を届けている、といいます。
財布でも、下着でも、その機能性のみに留まらず、利用者の心に響くような「想い」をどれだけ詰め込めるかが、商品の魅力を高める鍵になる、という点が重要です。もちろん、「想い」だけが空回りしてもダメ。商品のデザインや縫製品質など「想い」を実現する技術が不可欠です。一方こうした技術に磨きをかけるのが強い「想い」なのです。
マザーハウスの商品は、高いレベルで顧客と価値観を共有していると言い換えることができます。元来、従業員や株主などステークホルダーとの価値観の共有はビジネス成功の原理原則。その商品の魅力の底流にはこうした原理原則が横たわっているような気がします。
(参考)大和総研では起業家のための「新規産業レポート」を公開しており、「利用しやすい女性向けサービス」を連載しています。
大和総研:www.dir.co.jp/eir/
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