| vol.10 「2006年度の表彰式を終えて」 |
3月10日、このプロジェクトの2006年度表彰式が行われました。
最優秀賞に輝いた山口絵理子さんは、世界の最貧国バングラデシシュの自立支援に役立ちたいとの思いから、自ら現地留学の際に発見したジュート製バッグの日本での販売を昨年開始したばかり。
国際貢献の思いが空回りすることなく、ビジネスとしての具体的な戦略がしっかりしている点に驚きました。
まず、現地生産者との強い信頼関係。そしてジュートのポテンシャルを踏まえて、そのままでは不十分な素材の品質を、日本で受け入れられるレベルまで創意工夫し、デザインなど付加価値を高めた点が特筆できます。
次に小売店の開拓。さらに3月10日の新作発表のため徹夜を辞さない信念と協力者の使命感の共有も高いレベル。海外販路開拓や他の途上国進出へのビジョンも明確で、起業家らしい気迫が感じられました。
表彰式の後は、私もパネルディスカッションに参加しました。司会はベンチャー学会事務局長の田村真理子さん。パネリストはプロジェクト審査委員でマチュアライフ研究所社長・渋井真帆さん、早稲田大学学生でプリンシパルエージェント代表・黒田美帆さん、山口絵理子さんも登壇。
パネルで強く印象に残ったキワードは起業家の「思い」です。
「何か」、「誰か」のために役に立ちたいという思いの強さが、事業の持続的発展のための大きな鍵となってくるものです。
特に山口さんのプレゼンでは、「思い」が進化し、起業経営の原理原則の領域に踏み込もうとする迫力が感じられました。
つまり、「バングラデシュの貧困」への思いに留まらず、「現地生産者」、「日本の消費者」、「小売業者」、「従業員」など関係者全てを大切に思う強い気持ちです。
経営の世界ではステークホルダー(利害関係者)重視の経営が持続的発展の原則だといわれているのです。山口さんは実践を通して独学でその領域に達したのでしょうか。
ここでは書ききれませんが、他の受賞者の方々も個性ある事業を既に興していらっしゃいました。全体的にレベルアップしているという意見も多かったですね。
次回のコンテストも大いに楽しみにしたいと思います。
(参考)大和総研では起業家のための「新規産業レポート」を公開しており、「利用しやすい女性向けサービス」を連載しています。
大和総研:http://www.dir.co.jp/eir/
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